$\chi_{cJ}(2P)$ 質量スペクトルパズルにおけるハドロン分子の効果
2024年 9月 5日
概要
クォークと反クォークのペアや3つのクォークからなる通常のハドロンとして説明するのが困難なものを、エキゾチックハドロンと呼ぶ。2003年にBelle実験が$X(3872)$を発見して以来、チャームクォークを含むエキゾチックハドロンがより多く報告されている。エキゾチックハドロンは通常のハドロンよりも複雑な構造を持っていると考えられているが、結論は出ていない。 $X(3872)$ は最もよく知られたエキゾチックハドロンの一つで、多くの実験で観測されている。これは $\chi_{c1}(2P)$ と同じ量子数を持つが、その質量はクォーク模型の予測とは異なる。また、 $D^{0}\bar{D}^{*0}$ の閾値と $0.04$ MeV しか違わず、非常に近い質量を持ってる。本研究では、 $\chi_{cJ}(2P)$ をハドロン分子状態と裸の $\chi_{cJ}(2P)$ コアの混合状態として解析し、 $X(3872)$ などの実験値と比較した。
イベント
場所
名古屋大学